ロシア語におけるbe動詞について
ロシア語のbe動詞であるбытьは重要な動詞であるのにも関わらず、初学者には軽んじられることが多い。この記事ではбытьの現在形の用法とともに、軽んじられがちな原因について解説する。
бытьの現在形
бытьはロシア語にしては珍しく、現在系では人称に関わらず全てестьという形になる。なので
私は学生です
Я есть студент
彼らは生徒です
Они есть школьники
あれは家です
Это есть дом
という露文を作れる。
さて、ここで私の持っている教科書の第一課のタイトルを見てみると
第一課 Это дом (あれは家です)
と、естьが用いられていない。実はロシア語においては
現在系のестьは省略されるのが普通
だからである。なので、上に挙げた例文もестьを省略して
私は学生です
Я студент
彼らは生徒です
Они школьники
あれは家です
Это дом
とするのが普通である。
学習の初期段階においては現在系の文章を学んでいくのが普通であるため、初学者はбытьを軽んじがちなのであろう。
естьの用法
естьは省略されることが多いが、以下の状況では省略しない
存在を強調するとき
インターナショナルのサビで
Это есть наш последний и решительный бой (これこそが最後の決戦だ)
という歌詞があり、通常ならば省略されるестьが強調のために残されている。
естьを言わないと意味不明になるとき
例えば、時間(время)があると言うときに、естьを省略しては意味が通じなくなるので
Есть время (時間がある)
と言う必要がある。他にも、~はありますか? は Есть~?と聞く。
他にも、論文調の文章ではестьは省略されない。